crystal love
『・・・あなたは、ハンサムよ。
とっても。
さぞかしモテる事でしょうね。』
正直、休憩時間まで、
このオトコに絡まれるなんて
ゴメン被りたい。
投げ槍な受け答えで流して
見ていた雑誌を閉じた。
『まあね。
でも、俺は追うタイプだから
追って来るオンナには、
興味ないな。』
彼は、まだ私を
からかい足りないのか
ソコから動こうとしなくて。
『・・・そう。だったら
精々頑張って追いかけて。』
私は、必死に平静を装いながら
そう言い残し、席を立った。
『もう、いくの?』
『時間厳守。』
そういって、立ち去ろうとした
私の腕を彼が掴む。
『なあ。』
何よ・・・
ギョッとして、視線を
彼に向ける。
『俺の事、興味ある?』
『えっ?』
興味ってーーーー
『あると思うけどな。俺。』
このオトコの言わんとする所が
明確でない上、
挙げ足をとられた経験が
発言を躊躇させる。
『あのねぇ・・・
早く戻らないとダメなの。
わかる?』
一連の言動の真意を促した。