crystal love
電話が鳴る。
ジェスだろうか?
車を手放してから
空港に向かうといっていたから
そろそろ到着した時分だ。
出国前の一報だろうかと
受話器をあげた。
『ハロー、ディオナ・・・』
「あ・・・」
受話器から聞こえた声は
ボスのものでーーー
『ディオナ。テレビ、見てるか?』
ボスの固い声に、
嫌な予感がほとばしる。
ーーー何よ・・?
ーーー何があったの?
『君に知らせておこうと思って。
ジェイドがーーー』
「はい・・・?」
ーーー自動車事故に
巻き込まれたらしいーーー
ボスからの話も
既に、よく理解できないけど
テレビからの情報と、
ロバートの話からすると、
空港で、幼い子供が車道に
飛び出し、自動車と接触しかけた
ところを、彼が、かばったそうで。
受話器を握る手が震える。
「あの・・」
『ディオナ、病院名を言うから
控えて。』
容態は不明らしいーーー
自分で、確かめるしかない。