crystal love
「さあ、来るわよ。」
「ああ。」
ジェスが繋いだ手に
力を込めた。
「おかえりなさいっ!!」
バタバタ駆け寄る足音と
挨拶と共に勢いよく開いたドア。
天真爛漫な笑みで、エリスが
迎えてくれた。
彼女の目的は、未だ見ぬ
私の恋人であることは
一目瞭然で。
キョロキョロ辺りを見渡し
ジェスを視界にとらえた。
「あっ?!
ジェスも帰ってきたの?!
大変っ」
「なんだよ、そりゃ」
拗ねたジェスに、エリスが
慌てて言葉を続けた。
「ゴメンそういう訳ぢゃなくて
おかえり。ジェス。」
ジェスの頬に挨拶のキスをして
エリスがこちらを見遣る。
「・・・だって父さんが
ディオナが恋人を連れてくるって
言うんだもの。
楽しみにしてたんだよ。私。」
エリスが開けてくれた
リビングの扉をジェスと2人
くぐれば
ジェスの顔を見て、一瞬
表情の揺らいだ両親がいて。
でも、直に両手を広げ
迎えてくれた。
「ディオナも、ジェスも・・・
おかえりなさい。」