crystal love
あまりのロバートさんの表情に
大丈夫だと相槌をうち
愛想笑いを浮かべれば、
空気を読めない男が
さらに被せてくる。

「そうだよ。ボス。
コイツも大概口が悪いぜ。」

「貴方に言われたくないわよ
怒らせるのは、貴方のほう
でしょ。」


にわかに怪しくなってきた
雲行きを察して、
我が社長が、話題をかえる。


「なっ、なあロバート。
代理店の人間に会わないか?
昔、あっちで仕事したときの
知り合いが来てるんだ。」

「ああ、そりゃあいいね。
行こう。」

行って、進みだした二人を、
ジェイドと共に、人を縫いながら
付いていく。


行きたくない・・・・


心拍数が、異常に早い。


「おい、ディオナ。
お前、ホント、
心ないね?今日」

ジェイドが、
何か言ったらしいのだが、
上の空だった様で、
彼は苦笑している。


「ごめんなさい。何?」

慌てて、問い質せば、
たいした話ではないと
前置きした上で、口をひらいた。

「今日、ブレスレット、
してないんだな。
いつも不必要に、ジャラジャラ
手首に巻いてんじゃん。」

 


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