crystal love
晩御飯のおかずに、
数品買い物をして、
部屋に帰る。

最近、ジェイドに付き合っていて
まともに夕食など作っていない。

なんだか、面倒臭さに
流されそうになるが、
給料日前だし・・・つくるか。

適当な野菜をボイルして、
隣の部屋の日本人留学生から
もらった、酸っぱいお醤油を
ドレッシングにして食べる。

結構気に入った味だ。

わざわざ彼女も、特別に
取り寄せてもらうらしく、
市販の同類のものとは、
全く違うのだ。


そういえば、一人で
食事するのだって久しぶりだ。

生活の一部の様に、
色濃く存在感を示す、
わがままモデルが、うとましい。


早く、洗いものを済ませて、
続きでも描こうと、
気持ちを整えたところで、
玄関のドアがノックされた。


・・・まったく
ついていない。

ドアにチェーンをかけたまま、
扉を開けた。


・・・なんで


ここに、あなたがいるの?


「ジェイド、どうしたの?」

「ハロー。」

ラフなジーンズにシャツを
重ね着した彼を見て、
思わず感心してしまった。

流石は、モデル。
普段着まで、着こなしが違う。

「なんだよ?」

私の表情を見て、怪訝そうに
彼は、表情を曇らせた。


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