crystal love
RRRRRRRR……
RRRRRRRR……
ボスに理由をつげてから
しばらくぶりに、
実家へ電話する。
しばらくのコールの後
妹が電話にでた。
『もしもしっ?ディオナ?
久しぶりっ』
「そうよ、エリス。
元気だった?
いま、仕事中でね。
悪いけど、父か母に代わって?」
歳の離れた妹を、
構ってやりたいけど、
ここは仕事優先だ。
若干、不服そうに、
エリスは切り返す。
『どっちがいい?
二人とも傍にいるわ。』
「どちらでも。
そうだ、エリス。
いつもEメールありがとね。」
まだまだ話し足りない様子の妹が
父に受話器を渡したようだ。
『ディオナ、元気か?』
嬉しそうな父の声が
受話器の向こうで響く。
簡単な挨拶の後、手短に
本題をつげた。
二週間ほど、
ジェイドのホームステイを
頼める先がないか聞いたところ、
思わぬ返事が返ってくる。
その答えを抱き、また直ぐに
電話をかけ直す旨を伝え、
私は、彼のクラスブースへ
引き返したのだった。