crystal love
「ディオナ先生、またね~♪」

「はいはい。
気をつけて帰ってね。」

女子高校生を見送って、
ジェイド用のテキストを、
持ったまま、ホワイトボードの
前にたつ。


俺様モデルの
クラスブースを、
確認する。

「A-5か・・・」


くるりと背を向け
歩き出そうとした瞬間、
呼び止める声がした。

「ディオナ、ちょっと。」


そこには、微妙な笑顔の
オトコがいて・・・。


・・・ボス・・・その人で。


空き教室の扉を開け、
入室を誘導される。

閉めた扉にもたれ立ち
彼は口を開いた。

「ディオナ。
私の言いたい事は、
察しているな?」

「はい・・・」

『逆ギレ事件』の件だろう。

この前、散々、説教したんだから
もういいでしょ・・・。

「例の件は、
相手が悪かったんでな・・・
あれ以上言うつもりはない。

唯、うちも法人な訳だ。
彼が通学してるっていう
知名度を利用しない手は
ないんだ。
なるだけ大人な対応を
頼んだぞ。」


ものすっごく
嫌なんだけど。


「・・・はい・・・」

何とか返事をして。

「しかしまあ、
君を指名してくるとは、
奴にも驚いたな。

君を気に入ったとは・・・」

「違うと思います・・・」


そんな訳ないでしょう。

プライドの高い
オトコのする事なんて、
一つなのよ。



リベンジですよ。




 
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