crystal love
「あなたに、見せたい
モノがあるの。」

話を切り出した。

周りを堅めはしたが
当の本人の意志は
まだ、聞いてない。


「ああ?作品できたのか?」

「アンタに手がかかるのに
出来るわけないでしょっ」

「怒るなよ。」

私の受け答えに、
彼は楽しげに笑った。

「見せたいモノは、これ。」

一枚の写真を手渡す。

「写真?」

「そう。私のファミリー。
父と母と、妹がいるの。」

「へぇ。妹、可愛いじゃん?」

彼は、上目使いに、
こちらを見遣り、
口元に、人の悪い笑みを
浮かべた。

「悪さしたら、
ぶっ飛ばすわよ。」

こんな事をいいつつも、
そういう男ではないと
ロバート氏が、人物保証してる
本人達の意志にも寄るが
問題はないだろう。

「いま、21歳になったところよ。
ご覧のとおりのルックスだから、
モテるみたいよ?確か、
フィアンセもいるそうよ。」

「また、ヒトゴトな
言い様だな。」

彼は苦笑する。

こっちに来てから
ほとんど帰国してない。
当然、婚約者の顔もしらないし
話も、電話で聞いただけだ。
そうもなるだろう。

「で、コレみて
俺はどーすりゃ良いわけ?」

話が見えないせいか
奴は、イラツキ混じりに
結論を促した。
 
< 52 / 170 >

この作品をシェア

pagetop