crystal love
 

クラスブースの扉を開ける。

「なあ、ディオナ。」

「何?」

「実家って、今日、電話する?」

なにか考えを巡らせていたジェイドが問う。


ロバートさんも来て、
調度ここから連絡する事を
告げると、どうしても
話したい事があるから、
自分にも代わってほしいという。

教員室に戻ると
既に、ロバートさんは
おみえだった。

ジェイドに、空いてる席に
適当にかけるよう言い置いて、
私は、給湯室へお茶を用意する
ボスを手伝いに向かった。



「ボス、替わります。」

「ああ、すまない。で、
ジェイド、どうするって?」 

お茶の用意を始める傍ら、
最終確認を問われる。


「行くそうです。」

「そうか。
君はどうする?
一緒に戻るかい?」

「いいえ。残ります。
やることがありますから。」

そうか、と
微笑みを浮かべた彼に
笑みを返す。

コンペの応募期間が
迫っているのだ。それに
作品を間に合わせる方が、
重要だ。


さっさと用事を済ませて
自分のために時間を使いたい。


それが、私の本音だった。



  



 
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