crystal love
「ディオナ。エリスが、
おまえと話したいってさ。」
神妙な顔つきで、
ボスやロバートの後で、
両親と電話で話していた
ジェイドが、私を呼ぶ。
その表情をみて
私は呆気にとられた。
なんて
穏やかな表情
まるで、癒しを得た様な
何とも言えない
毒の抜けた表情だった。
「ハイ、エリス。
急で悪いけど、ジェイドの事
お願いね。」
『ディオナ、任せておいて。
ビックリしたよ。
スゴイじゃないっ!!
ジェイドって、超美形の
スーパーモデルでしょ?!』
電話口の妹から
ハイテンションな返事が
かえってくる。
「なんか、そうらしいわね。」
『……お姉ちゃん……
まさか、興味、ないの?』
妹の声が、引き攣ってる。
「うん。」
言葉短に肯定すれば
残念そうなエリスの言葉が
続く。
『なーんだ。
ディオナの恋人だと
思ったのに・・・』
「バカッあんた、彼に
そんな事言っちゃダメよ?
確実にご機嫌損なうんだから。」
ギクッとして、受話器を覆い
たしなめた。
『はいはい。任せなさい』
お気楽なエリスの返事が
一抹の不安を呼びよせた。