crystal love
母国へ
フワフワする……
お酒に弱い事もあって
顔がほてってる・・・
今日は飲み過ぎたかもしれない
だって、こんなに
眠いんだもん。
鍵穴に、キーをさして
ドアにもたれ、下りてくる
まぶたを開けようと、
躍起になる。
ここまで帰ってきて
こんなところで
寝るわけにいかない
「遅かったな。ディオナ。
デートでもしてた?」
不意に、すっかり聞き慣れた声が、
背後頭上より降り注いできて、
声の主を見る。
・・・なんで
ジェイドがいるわけ?
そんな思考もする気力がないのか、
私の口は勝手に言葉を紡ぐ。
「違うわよ。ボスとロバートと
食事してただけ。」
「随分、顔が赤い。
だいぶ、飲んだのか?」
尋ねながら、差し込んだままの
キーを彼は開け、当たり前のように、
私を伴い室内に入る。
「ほら、鍵、直して。」
私の掌に、鍵をのせ、彼はいう。
促されるまま、定位置にしまい、
壁にもたれ立った。
「ところで、何故、
ここに貴方がいるの?
約束の拘束時間は過ぎてるわ。」
何とか、生活圏に戻れば、
じわじわと、ここに彼がいる疑問が
沸いて来た。
「俺、待ってたんだけどな。
ここで。」