crystal love
翌日、出社して間なしに
ボスから呼出された。
入室して、すぐに
目についたのは、
その疲れた表情だった。
「・・・寝不足ですか?」
思わず問えば、彼は短く肯定して、
封筒を差し出した。
「何ですか?これ。」
「エアチケットだ。」
「……はい?……」
話が、みえない。
「昨日、ロバートから
電話があってね。
色々、話したんだが
ジェイドを追行してくれ。
ちなみに、これは
業務命令だから・・・」
確かに、奴はキミのコマを
キャンセルしていない。
ダブルブッキングさせるのは
うちの規約に反するからね。
そこを突っ込まれれば、
うちとしては、
逃げ道がない訳だ。
と、ジェイドの言い分が
規約の穴を突いたものだと
簡単に説明された。
だから・・・
エレナに行けって?
「アイツ、何考えてんの?!」
「……わからない。
頭がキレるのは確かだ。」
眉間を指で押さえたまま
彼はいう。
ってか、いつの便よ?
もらった封筒をあければ
「今日の午後?!」
「ああ。今すぐ、用意して
空港にいってくれ。」
送れなくってすまないね。と、
力無く机に突っ伏したボスに
一礼をして、
会社を、後にした。
あんのバカー
わがままオトコ