crystal love
「行こう。ディオナ。」
彼に促され、ポーチへ向かう。
「へぇ。男前じゃん。」
ジェスにいわれ、目の前の
ハリーという青年は、
激しく謙遜をする。
もはや、その姿は否定だ。
「本当だ。謙遜の国だね。」
彼は言って、こちらに
同意を求めるが・・・
「当たり前じゃない。
元スーパーモデルに言われちゃ
からかわれていると
思っちゃうわよ。」
エリスが半ば呆れ顔で言った。
「どうぞ。入って。
こちらが、姉のディオナ。
あちらは、兄のジェス。
ホストファミリーなの。」
エリスに紹介されたフィアンセは
人懐っこい笑顔を浮かべ
挨拶をする。
「エリスから、話は聞いてるわ。
お茶をしていたから
一緒にどうぞ。」
いつまでも寒い所もなんだし、
リビングへと誘った。
リビングの扉を閉めようとして
ジェスがいないことに気づく。
「ジェス?」
玄関の方角を振り返れば
玄関の壁にもたれ立つ
彼が目に入った。