crystal love
「同じよ。ここじゃあ
生徒でも、モデルでもないわ。
ファミリーよ。」

「ファミリー・・・か・・。」

彼は、静かに息を吐きながら
その言葉を復唱した。

「私たちも行きましょ?」

いつまでも動かない彼を促す。

あと数日の『家族』という単位

至って普通の兄弟や家族の
日常を過ごそうと思っている。
懐かしい友人にも会おうと
思っているし。
彼を特別にもてなす
つもりもない。

でも、せめて、彼を
オーディションのある
メトロポリスへ見送ってから
向こうへ戻ろうと考えている。

調度、エアチケットも
そんな感じで復路を
押さえてある。


 



< 81 / 170 >

この作品をシェア

pagetop