crystal love
 

頑張って、早起きをする。
九歳年下の妹の
ランチを作るのは
幼い頃から、私の仕事だった。

私自身、彼女が産まれた頃から
自分のランチは作っていたから
苦にはならなかった。


身支度の合間に、
作業を終えれば、
タイミングよく妹が、
シャワーに駆け込み、
あっという間に出てくる。

「エリス、少しくらい
朝食、食べるでしょ?」

「うんっ」

満面の笑みを浮かべ
部屋に戻る彼女と入れ替わりに
寝ぼけたままのジェイドが
あくびをしながら、
バスルームに向かう。

「おはよ。ジェス。」
「Morning……」

完全に寝ぼけている。


「シャワー、あいてる?」
「空いてるわよ。」

タオルを手渡してやれば

「一緒に入る?」

瞼を閉じて、歯を磨きながら
彼はいう。


「もう済ませてるから、結構。
そのまま寝ないでよ?」

扉を閉めながら注意を促す。

まだ、皆に合わせた生活を
何とかやってるだけでも
向こうでの彼と、雲泥の差か。
 




 
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