crystal love
「ディオナ、コーヒーのむ?」

エリスが、カップを用意
しながら聞いてくる。

いつもの、この家の
光景なんだろう。

彼女が、小等部の頃に
家を出た私には、
もはや、よくわからない
事だった。

「エリス、ランチは、
ここに置いているから、
忘れないでね。」

「わーい」

久々だよねっっていいながら
彼女は、かばんに早々と
ランチボックスを収める。

小さい頃の笑顔が重なる。

昔から、素直で可愛くて
気取らない性格が周囲の支持を
一身に集めていた。

そんな回帰をしながら
カップを口元に運んでいれば
ランドリーが回る音に
気づく。

「え?」

浴室の方をみると、妹は
やっとでてきたか等と言い
立ち上がる。

「ジェスはね、7時より早く
起きれない人なの。

シャワーを使うのが最後だから
バスルームの清掃と、
ランドリーのスイッチを
入れるのが、彼の仕事なの。」

なるほどね・・・

「で、こうやって、
カップにコーヒーが入った頃…」

すっきり目覚めた
ジェイドが現れた。


 
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