僕は君のもの
直ちゃんの城はお家からはちょっと遠い、だけど美紀の学校からはすごく近い所にあった。
閑静な住宅街の中にある2階建てのアパート。
その1階の一番奥が直ちゃんの部屋だった。
「ただいま~。」
そう言いながら部屋に入る直ちゃんに笑いがこぼれる。
「お邪魔しまぁ~す。」
間取りは2DK。一人暮らしには少し広い。
雨じゃなければ日当たりも良さそう。
「見て!」
直ちゃんが嬉しそうに美紀を手招きする。
「どうよ?」
大げさに手で指し示すそこには大きなソファがあった。
「カッコイイねぇ。超おっきいし。高そ~。」
興奮する美紀に腕組をした直ちゃんが満足気にうなずく。
「だろ?こないだ買ったばっかでさ。誰かに自慢したかったんだよ~。」
直ちゃんは大事そうにソファを撫でる。