僕は君のもの
騒がしい体育館の中、美紀とお話ししてくれる子なんていないから一人でボケ~と立つ。
初めての全校集会。
背の低い美紀は必然的に一番前にいた。
前列に並ぶ先輩たちの後ろ姿を眺める。
…直お兄ちゃんいないかなぁ。
首を伸ばしたところで背の高い先輩たちのおかげで何にも見えないんだけどね。
美紀の横にある入口の扉が閉められ、スピーカーから先生の声が響くと体育館の中はシンと静まり返った。
あ~あ。中学なんてつまんないな~。
小学校もつまんなかったけどさ。
高校もつまらないんだろうな。
美紀の人生って何なんだろう。
一人でウダウダ考えていたら、突然入口の扉が開けられた。