僕は君のもの
3、4人の生徒が体育館に入ってくる。
あきらかに先輩。
そしてガラが悪そうだった。
美紀はその中でも一番目立つ人に目を奪われた。
かかとを履きつぶした上靴、ずり下がったズボン、学ランから覗くごつめのネックレス。
色の抜けた髪は無造作に整えられ、耳と鼻に開けられたピアス、鋭い目つき。
白い…肌。
あれって…、
直お兄ちゃん!?
美紀の目の前を通り過ぎるその人を凝視する。
うそ。
美紀の中の直お兄ちゃんは女の子みたいに可愛いイメージだったのに!!
背もすごく伸びていて、表情も“男”って感じ。
たった2年会ってないだけだったのにな…。