僕は君のもの



なかなか進まない宿題を眺めていたらケータイが鳴った。


「美紀ちゃんの着メロって心臓に悪い。」



音に驚いた直ちゃんが苦笑いする。




送信者は恭ちゃんだった。



内容は花火大会のお誘い。
ちなみに場所はヤマの家の近く。



それは美紀が直ちゃんと行くと約束したあの花火大会だった。




「花火大会もうすぐだねっ!」




アイスをかじる直ちゃんを見上げる。




「あ…。」




直ちゃんは中途半端にアイスをくわえたまま固まった。




「ごめん…。美紀ちゃん。その日、職場の飲み会になったんだった。言うの忘れてた。」




え~!!!



約束したのに!!



ショックで声も出ないよ!!





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