僕は君のもの



こんな時に限って履きにくいサンダルなんだよなぁ。



「あのさ、美紀ちゃん。」



もたもたする美紀のすぐ後ろで声がした。




「友達もできたみたいだし、2学期始まったらここ来るのやめたら?学校行けよ。」



ストラップを留める手が止まった。



「なんでそんなこと言うの?」



「なんでって当たり前のことだろ?」



直ちゃんは美紀と会えなくなっても平気なの?



「だからさ、」



まだ何か言う直ちゃんを制するように立ち上がった。




「もう、いいよっ!!」




それだけ叫んで飛び出す。

ちゃんと留められていないサンダルのストラップが邪魔して歩きにくい。



留めようと下を向いたら涙が落ちた。




アスファルトの上に次から次へと黒い点を作っていく。


頭上にはジリジリと射す太陽。



今年の夏休みは最悪だ…。






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