僕は君のもの
美紀は恭ちゃんと顔を見合わせて笑う。
「なんだかんだでいい感じなんじゃない?」
恭ちゃんは嬉しそうに恵梨香とヤマの後ろ姿を指差した。
「ところで恵梨香、美紀のチョコバナナも買ってきてくれるかなぁ?」
「ん?頼んでた?」
「頼んでな~い。」
「みっきー。世界はキミを中心にまわってるわけじゃないんだよ。」
わかってるよ。そんなこと。
物事がうまくいかない歯がゆさも、思い通りにならないイライラも。
空高く上がる花火を見ながら直ちゃんのことを想った。
こんなにキレイなのにどうして切なくなるのかな。
たくさんの色が目に痛い。
大きな音が心臓を衝く。
大好きな花火が全然楽しくないよ。