僕は君のもの




最後の連続花火が終わる頃、ケータイのイルミネーションが光ってることに気づいた。



あ…。メールきてた。




『花火どう?』




めったにこない直ちゃんからのメール。



あの日以来、直ちゃんとは会ってないし、連絡もしてない。



慌ててカメラモードにして空いっぱいに広がる花火を苦労して撮った。




『すっごくキレイだよ。』




他になんて言ったらいいかわからなくて写真とそれだけ送信した。



直ちゃんは今頃飲み会の最中。



美紀の知らない人達と美紀の知らない話をして美紀の知らない世界で生きてる。




きっと、どうがんばったって美紀は直ちゃんのそばにはいられない。





ほら、花火ももう終わっちゃったよ。







< 162 / 245 >

この作品をシェア

pagetop