僕は君のもの
次の日のことだった。
チャイムが鳴って、みんな思い思いに机を移動させ、お弁当を広げる。
もちろん美紀は少しも移動しないで自分の席に座ったまま鞄からお弁当を出した。
はぁ…。どうしてこんなんなっちゃったんだろ。
「美紀ちゃ~ん?」
騒がしかった教室が静まり返る。
入口から直ちゃんが顔を出していた。
「おっ!いたいた。」
直ちゃんは美紀を見つけると、臆することもなくズカズカと教室の中に入って来た。
「行くよ?」
机の上に乗っていたお弁当を勝手に取り、教室から出て行こうとする。
「えっ?直ちゃん!?ちょ…、待って!」
美紀は混乱したまま静かな教室を後にした。
直ちゃんは上履きのままで渡り廊下から中庭へ下りた。
「おっ!本当に連れて来ちゃったの~?」
「だってこいつリアルに一人で食おうとしてんだもん。」
「はい。一番日当たりいいトコどうぞ。」
さすが美紀のヒーローだ。美紀は直ちゃんがいないと生きていけないよ。