僕は君のもの
最高の人生
それは奇跡だと思った。
あの小学校1年の時、直ちゃんと出会えたこと。
高校1年の時、直ちゃんと再会できたこと。
直ちゃんの家で過ごした日々。
初めて一緒に過ごした夜。
新しい命。
美紀の人生は奇跡があふれている。
終業式の日。今年最後の登校。クリスマスイブ。
そして…、天気は雨。
「雨だ…。」
思わず窓を開けてその雨粒に触れようとした。
「寒っ!!」
慌てて部屋にあったブランケットをはおる。
「ごめんね。ビックリしちゃったよね。」
お腹を撫でながら窓の鍵を閉めた。
冷たい窓ガラス。
そこに手とおでこをつける。
うん。今日だ。今日しかない。