僕は君のもの
美紀の期待とは反対にみんな固まるだけだった。
「あれ~?もっと驚いてよぉ。」
「ごめんな。こいつ、昔っからこんなんだから。
これからも仲良くしてやってよ。」
直ちゃんが美紀の頭に手を乗せる。
ふふ。これもなかなか旦那さまっぽい。
いいぞ。直ちゃん。
唖然とするみんなを残して車に乗り込んだ。
「昼メシ食ってから出しに行かね?」
「うん。そうしよ。」
お腹を気づかいながらシートベルトを締める。
「あっ!美紀ちゃん。うしろうしろ。」
「うしろ?」
後部座席を覗くとオシャレで立派な小さい紙袋が置いてあった。
「できたの!?」
「さっき取りに行って来た。」
中身は二人の結婚指輪。
もちろん婚約指輪より安物になっちゃったけど、初めて二人で一緒に決めた二人の物だからやっぱり特別なんだ。