僕は君のもの
「あら。内野さん。直哉くんまでどうしたの?」
ママの声を聞きながらどうやって学校を休もうか考えた。
頭痛いもお腹痛いも全部使っちゃったし。
熱出ないかなぁ。風邪ひきたいなぁ。
「美紀?」
どんなにママが呼んだって振り向かないんだから!
「直哉お兄ちゃんが一緒に学校に行ってくれるって。わざわざ来てくれたわよ。ほら!美紀!!」
耳を塞ごうとした目の前に現れた大きな手。
顔を上げた先にいたのは、色白の肌、サラサラの髪、大きな目…。
「直………お兄ちゃん?」
どう見ても女の子にしか見えなかった。
「美紀ちゃん。早く学校行こう。遅刻しちゃうよ?」
その声がすごく優しくて、思わず握ってしまった手がすごく温かくて…。
「うん…。」
美紀は直お兄ちゃんと玄関を出たんだ。