僕は君のもの
消える恋




騒々しい校庭。



必死になって首をのばす。




あぁ。なんで美紀の背はもっと伸びないんだろう。




だけど、その中でも一際目立つ存在。



いた!!




学ランの襟元から覗く真っ赤なパーカー。


ツンツンと立てられた茶色い髪。





「直ちゃん!!」





大好きなあの人が笑顔で振り向く。




「あれ?美紀ちゃん。わざわざ来たの!?
お前ら修了式は午後からなんだろ?」



「うん。だけど直ちゃんにお祝い言いたかったんだもん。」



胸元についているリボン。



大きな手に握られた長い筒。




「卒業おめでとう。」






< 51 / 245 >

この作品をシェア

pagetop