僕は君のもの
「い~よ~。」
地面を見つめていた美紀の頭上に降って来た声。
勢いよく顔を上げたらやっぱり笑顔のままの直ちゃん。
「ただし、美紀ちゃんが大人になったらね?」
待って。直ちゃ…、
「内野く~ん。一緒に写真撮って~。」
媚びた声に邪魔される。
「じゃ、美紀ちゃんまたね!」
直ちゃんは手を振って背中を向けた。
ウソでしょ。
軽すぎるよ。
「冗談じゃないのに…。」
美紀は本気なのに。
いつもみたいに“嫌だ”って言ってよ。
直ちゃんは美紀のヒーローなんだよ。
気づいてよ!!