僕は君のもの
いつもの帰り道。
だけどなんだか色あせて見える。
隣にいるのは直ちゃんじゃない。
ただそれだけのことなのに。
「美紀ちゃん、元気なくない?」
「そんなことないです。」
無理矢理笑顔を作る。
「敬語やめて。タメ口でいいから。」
森先輩は何も気づかず美紀の手をとった。
大きな手。
直ちゃんの手もこんな感じなのかなぁ?
「美紀ちゃんの家ってこっち?」
「あっ…!うん。で、2本目の道を右…」
自分の目を疑った。
なんで…。