僕は君のもの
制服に手をかけられた時も、
初めての感覚に酔いしれている時も、
身を裂かれるような痛みを感じている時も、
美紀の頭の中は違うことに占拠された。
それが先輩に対して申し訳なくて、目を開けることすらできなかった。
だけど閉じた瞼に浮かんできた人物のせいで罪悪感は増すばかりだった。
たまに落とされる中村先輩からのキスがどうにか美紀を現実にとどまらせてくれる。
美紀は必死になってそれにしがみついた。
でも、
先輩の顔だけは見ることができなかった。