僕は君のもの
校舎の影から卒業生が騒ぐ校庭を覗いた。
つい1年前を思い出す。
思いっきり首を横に振った。
違う。直ちゃんはもう美紀には関係ない。
一際騒がしい集団の中に先輩はいた。
近くまで行って叫ぶ。
「先輩!!」
「あ!国民的美少女だ~。」
テンションの高い先輩たちが美紀を指差す。
「あれ?来たんだ。」
「うん。先輩、卒業おめでとう。」
周りから冷やかしの声が上がった。
「お前らうるせー!
美紀ちゃん、あっち行こ。」
先輩が美紀の手を引いて歩き出す。