僕は君のもの
「白石さん。一緒に食べない?」
「へ?」
耳を疑った。
以前のように一人でお弁当を食べようとしていた美紀にかけられた言葉。
相手はもちろん男の子じゃなくて女の子。
美紀の周りには男の子もいないし下心はなさそう…。
その子と机をくっつけながら初めてできそうな友達の予感に嬉しくなった。
「白石さんって芸能人とか誰が好き?」
今まで一度もしたことのない会話。
あまりにも楽しくてお弁当を食べ終わるのに時間がかかった。
こうして美紀と理沙は仲良くなった。
休み時間や移動の時も一緒に行動した。
そんなみんなには当たり前のことが美紀にとっては初めてのことでドキドキした。
ほとんどの女の子たちが美紀とは距離をとっていたけどそんなことも忘れちゃうくらい楽しかった。