僕は君のもの



もちろん男の子とはすぐに仲良くなった。



隣の席になった高野くんはすごく面白くて授業中に美紀を笑わせてくれる。

高野くんは友達が多くて美紀たちの席には自然と人が集まった。



「あっ。消しゴム落ちたよ?」



「ありがとー。高野くん!」



高野くんから消しゴムを受け取る。


その時、集まっていた男の子たちから笑いが起こった。



「恭一は“高野くん”ってキャラじゃないだろー?」



みんなからヤマと呼ばれる男の子が一際大きく笑う。



「え~、じゃあなんて呼べばいいの?」



美紀は唇を尖らせる。



「俺、みっきーに高野くんって呼ばれるの好きなのに~。」



「ん?みっきーって美紀のこと?」



高野くんが“うんうん”と首を振った。



初めてのあだ名がすごくうれしかった。




「お前、いつも美紀美紀うるさいから。」



「決めた!高野くんは恭ちゃんね!」



いつも美紀を楽しませてくれるこの人を直ちゃんと同じように呼ぼうと決めた。






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