僕は君のもの



美紀の付けた呼び名にまた笑いが起こる。


「さすがみっきー。ナイスネーミング。」


その中でも一番優しい佐藤くんが美紀に向かって親指を立てた。



「でしょ!?」



彼は用もないのによく美紀にメールをくれる。

それが意味することはなんとなくわかっているけど気づかないふりをした。



自らそういう面倒を起こしたくはない。




「なーにやってんの?」



「あっ!理沙。
今ね、恭ちゃんに恭ちゃんって名前付けてあげたの。」



「みっきー、意味分かんねーから。」



恭ちゃんが笑う。



「へ~。恭ちゃん!?」



「ちょっと待った!」



恭ちゃんが理沙に掌を向ける。



「俺のことを“恭ちゃん”って呼んでいいのはみっきーだけにする!」



「え~!?そんなに美紀ちゃんのこと好きなの?」



理沙が頬を膨らませた。



「これ以上、恥ずかしい名前で呼ばれたくない!!」



高らかに言う恭ちゃんにまた笑いが起きた。




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