僕は君のもの
しまった。
気づいた時には遅かった。
「何ソレ。ひどくない?」
理沙が美紀に詰め寄る。
「美紀ちゃんは私の好きな人とったんだ。」
「待って!美紀そんなこと知らなかったし。」
「言い訳しないで!」
その叫びを最後に理沙は美紀と口をきいてくれなかった。
数日後、彼女は新しい女子グループに加わり仲間たちと美紀の悪口を言いまわっていた。
「男好き。」
「サイテー。」
「早く別れろよ。」
通りすがりに言われる言葉たち。
でもあまり辛くなかった。
悲しいことにこんなこと美紀には慣れっこで大したダメージはない。
それが余計に彼女たちの気に障ったらしい。
事実と異なった噂はあっという間に広がった。