先輩(仮)


「ベッドの大きさってどれくらい?」

沈黙を破ったのはえっちゃん


「大きさ?…どうだろう割と大きいけど」

なんでそんなこと聞くんだろ?

「じゃあ、2人くらい寝れそうかな?」

「…たぶん、寝れると思う!」

そうか、その手があったね!

男女で分かれて2人で寝れば万事解決じゃないか!


「じゃあ、私はけんちゃんと寝るからりっちゃんは早瀬先輩とね!」


『はっ!?』


重なったのは私と先輩の声

ではなく
私とけんちゃんの声

あれ?先輩は今の提案に驚いてないの?

こんなに言ってることがおかしいのに!


「待ってよえっちゃん!えっちゃんはいいかもしれないけど私たちが困るよ!」


「いや、俺は困んねーよ?」


『え!?』


またけんちゃんと重なる


「だってこんな図体のデカイ健吾と一緒になんか寝れねーもん!暑いし!」

ちょっと嫌味っぽく笑いながら言う先輩

「お前がそういうなら俺は恵理子と一緒のが嬉しいけど…」


けんちゃんの言葉を最後にみんながわたしを見る





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