先輩(仮)
すぐに返事がもらえなくて残念だし、たぶん、いい返事ではないと思う……けど、昨日と今日がすごく楽しかったから、それをいい思い出にしてがんばろ!
というか、そう思うしかやってらんないよ…
それからは正直どうやって家の中を過ごしたか覚えてないけど、気がついたら朝になってた
きっと崇哉の前では笑顔でいよう、めんどくさい女にはなりたくないっていう気持ちだけで、気を張ってて事実を頭から排除しようとしてたんだぁ…
昨日までのことが夢だったんじゃないかと、そんな風にさえ思いたくなったけど、机の上に置きっぱなしにされていた遊園地のチケットと売店で買った遊園地のマスコットキャラクターのぬいぐるみがおいてあり、夢じゃないことを教えてくれた
「夢じゃなくて良かったのか、悪かったのか…」
それを確認してから、いつものようにバイトに行って部活の準備して学校へ向かった
私、どんな顔して崇哉に会えばいい?
教室に着くまでずっとそれを考えていたけど、会ってしまえばそうでもなかった
崇哉は昨日の事なんてあまり気にしてないみたいで、普通に話しかけてきて、一瞬ドキッとしたけどあまりにも普通すぎて私も普通に受け答えしてしまったので、いろいろ考える暇もなかった
部活が始まって、休憩時間にえっちゃんとバカやって、けいちゃんにちょっと嫉妬して怖いくらいにいつも通りの一日………
ちょっとくらい、変わってくれてもいいのに…
それからコンクールまで本当に同じ事の繰り返しの毎日だった