先輩(仮)






結果は銀賞!

音楽室もない学校で、人数も少ない団体にしては最高の賞だ!



私達は入賞できるとは思っていなかったので、学校名が呼ばれた時は飛び上がって喜んだ、中には涙を流す人もいた



最後となる舞台としてとてもいいご褒美だった



「みんなお疲れ様!今日はよく頑張りました!」


会場の隅で締めのミーティングを行う


「特に早瀬と加納!今日の2人のデュオは一段と良かった!この2人に拍手!」


そう、課題曲のうちにソロパートがあり、なんと崇哉と私がそのパートを歌うことになっていた



「確かに今日のは特別に2人良かった!」


みんな口々にそう言ってくれる



照れ臭いけど、自分でもそう思ってたから嬉しい



「えーっと、こんな時に言うのも言いづらいんだけど…」


先生の表情が変わりみんなのざわつきが収まる


あのことかな?


「今日で一旦区切りになるので言いますが、三年生はこのコンクールを以て引退となります、そして残念なことに加納も今日でこの部を去ることになりました…。」



やっぱり…


さっきまでにこやかに話していた生徒がみんな難しい表情になった


「…あれ、みんな知ってたの?」


特別な反応がなかったので先生は少し驚いてた


「実は、お昼にその話題になったんです…」


そう説明すると納得の顔になった


「そっか…まあ、でも会えなくなるわけではないので、これからも残された者たちで頑張って行きましょう!」



先生は暗くなった雰囲気を明るくしようとしてたけど、そんなに明るくならなくて、入賞した団体とは思えないくらいにどんよりとした空気で解散になった










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