先輩(仮)





崇哉はそれだけ言うと自分の家の方に歩き始めた。



私はそれを追いかけることも、呼び止めることもできずにただ突っ立ってるだけで目だけは彼を見つめていた。



覚悟していたことなのに、実際に本人から言われるとキツいなぁ…



崇哉の姿が見えなくなっても数分その場から動けずにいたけど電車の音で我に返り、自宅へと足を進めることができた。



家に着いてからは、いつもと同じようにカギを開け部屋に入り、お風呂に入り、歯を磨く


そう、いつもと変わらない毎日



なのにベッドに寝転んだ途端に思い出す崇哉と過ごしてきた日々



確かに、覚悟はしてたんだけど正直ちょっと期待してたの、もしかしたら崇哉も私のこと好きなんじゃないかって

えっちゃんと一度真剣に話した時があって、その時にえっちゃんが崇哉は私に好意をもってくれていると思うと言われていたから…



それに未遂ではあったけど、先週のこのベッドでのやりとりは期待を大きくさせていたのに…










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