先輩(仮)
「…ごめん、もう話しかけないから」
答えを出さないので諦めて部室に戻ることにした
「待ってくださいっ!違うんです!」
彼女に背を向けた時彼女の声によって引き止められる
「なにが違うの?」
「私は避けているのではなくて…」
「避けてるんじゃなかったら俺から逃げたりはしないよね?」
「だから、その…」
また彼女は口ごもる、
これじゃあさっきの繰り返しだよ
「言う気がないなら俺は戻る。「言います!全部言います!」
被せるように、それも今まで聞いたことのないような大きな声で、しっかりと俺の目を見てそう言ってきた
「…………恥ずかしかったんです」
「…は?」
思わず気の抜けた声が出てしまう
恥ずかしかったってなにが?
そんな恥ずかしい場面なかったと思うけど?
「先輩はもうなんとも思ってないかもしれないですけど…卒部式のこと覚えてますか?ボタンのことも…それがあったからなんとなく顔が合わせづらかったんです…」
あー、そうか!
あれは告白ともとれる行為だしな…
そういうことか!
俺はようやく理解した
それを彼女も分かったのか
「…っ、だから言うの嫌だったんですよ!/////」
顔を隠して耳まで真っ赤にしていた