先輩(仮)




しかし、チャイムは鳴り否が応でも教えなければテツたちは引かなかった



体育館に入ると真新しい制服を着た新入生達はキョロキョロしていた彼らもまたテツたちと同じようにステキな先輩でも探しているのだろうか…



その中で俺はようやく彼女の姿を見つけることが出来た


…やっぱり制服がとてもよく似合っている、中学の時のセーラー服も着こなしていたけど、大人っぽい彼女には今のブレザーの方が似合う



初めて見る彼女の制服姿と、久々に見る彼女の姿に目と、また心を奪われた気がする



「おい、お前の後輩どれだよ」


肘で小突いて催促するテツ
番号順が前後のためやはり教えなければいけなかった



「あれ」


「…どれ?」


「だから、あそこのちょっと背の高い」


「ポニーテールの子?」


「誰だよそれ、髪はおろしてるよ」


教えるけどテツは全然見つけれてない、いっそのことわからないままでいいんだけど…



「あー、もうわかんねぇ!!後でクラスに連れて来いよ!」


「はぁ!?何言ってんだよお前」


「だって、めっちゃ気になるもん!」


「だからってなぁ…」


いくらなんでもそれは…


結局テツは優莉のことが分からないまま教室に戻ることになり、そこでまた見れなかったことを騒ぎ出したので他のみんなも集まってきた





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