先輩(仮)
「はぁ、ナツもやっとくっついたかー…」
バスを降りて優莉が背伸びをしながらつぶやく
「やっぱり、なっちゃんもテツのこと好きだったの?」
「わかりやすいですよね、2人とも!1年の時かららしいですよ!」
「まじか!もう2年近いじゃん!それはやっとだねー」
「私はテツ先輩もナツのこと好きだって思ってたから早く告白しちゃえばって言ってたんですけどねー!」
告白と聞いてあの日のことを思い出して、言葉がでなくなってしまった
そう言えばあの日と同じ場所だ
でも今日はこの道を曲がらず真っ直ぐに歩く
優莉も同じようなことを思ってたのか、マンションに着くまで何も話さなかった
「わざわざ家まで持ってきてもらってありがとうございます」
「全然いいよ、逆にもらってくれて嬉しいよ」
「大切にしますね、これ」
「うん、そうして、部屋まで運ばなくて大丈夫?重いよ?」
「大丈夫ですよ、ほんとありがとうございます、また旅行の日程とか決めましょうね!」
「そうだな、また連絡する!じゃ、また」
「帰り気をつけてくださいね」
「おう、じゃあな!」
最後は結構あっさり別れてしまった、もうちょっと長く居れることを期待したけど彼女は振り返ることなくマンションへと入って行く
長いようでとても短かった1日が終わった