先輩(仮)
「ユリさん、次の衣装ここ置いとくねー」
「ありがとうございます」
衣装さんが置いていった服をみて少しため息が出る
これは衣装と言えるのかというくらいのもので、10着ほど置かれた布
それは下着だった
今は来年に発売されるという通販雑誌の撮影をしていて、さっきはアウターの撮影で今度は下着の撮影らしい
仕事だから仕方ないんだけど、やっぱり恥ずかしいのよね…
そんな私の気持ちがカメラにも現れるのか、カメラマンはその恥ずかしさが出てるのがいいという
『いくら商品がメインの撮影でもやっぱり見る人や消費者はモデルも含めて商品を見る、だから下着姿なのに堂々とされていてもそれは不自然だろ?』
デビュー当時モデルなんだから恥ずかしがっていてはいけないと思い挑んだ初めての下着撮影の時に言われたこと
私は今でもその言葉を忘れずに、というよりは実際に恥ずかしいからそれを隠さずに撮影に挑んでいる
そしてその言葉をかけてくれたのが今日のカメラマンの萩原さんだ