先輩(仮)
あの時の撮影から萩原さんと撮影は多く、萩原さんから指名されることも多い。
今日の撮影も萩原さんの指名らしい。
「ユリー!始めるぞー!」
萩原さんに呼ばれセットに移動する。
パシャパシャと音を奏でるように撮る萩原さんとフラッシュの光に包まれる。
私がトップモデルと言われるようになったのも萩原さんのおかげだと思う。
全ての撮影が終わりスタッフへの挨拶も済ませ、楽屋で帰る支度をする。
ユリの素性がバレないようにいつもスタジオなどを出入りする時は気を抜けない。
今までユリの素性がバレてないのもこの努力があるからだ。
ショートのウィッグを被り、顔には男性風のメイクをする、いつかの文化祭のように…、そしてサラシを巻き服も全て男もの。
サングラスは余計に目立ち変装には不向きだ、だから性別を偽って移動する。
鬼頭さんも最初は変わりように驚いていたけど、今は慣れて私がこの格好をする時は男として扱い、友達のように接してくれる。
ユリの時は鬼だけどね…。
「おい、明日オフになったから学校行っていいぞ!」
「え!ほんと!?やったー!久しぶり学校行けるー!」
鬼からのプレゼント!(笑)
「先週は行けなかったからな、行ってこい。」
「ありがとー!」
今週も行けないと思ってたからかなり嬉しい!ナツとも久々だぁ!