先輩(仮)
同じことを繰り返してはいけないと思い、優莉に背を向けて右手を左手で固く握った。
”男はみんな変態”って本当にそうだと思う…、好きな女の子と同じベッドに居て、そんな気持ちにならない方が変態だ。
「先輩?」
「…ん?」
「ギュウってしてほしいです。」
「はぁ!?…何いって…」
俺の苦労を無駄にするかのように、優莉は俺に抱きついてきた。
「ちょっ!優莉!?」
「不安なんです!また離れてしまいそうで、それに背を向けて寝られるとさみしいです。」
だからって…。
深呼吸して心を落ち着かせようとするけど、全然落ち着く様子はない。
優莉の気持ちはとても嬉しいことなんだけど、あの日の二の舞にはなりたくないし…。