恋より強く
5月へ移り行く季節だった
私たちの学校では春のくせにマラソン大会が開かれる
5月上旬にあるマラソン大会のために1学期が始まってから、体育の時間は全部マラソンになる
半数はやる気がなく歩いているが、私は手加減をするということが大嫌いなので一応走る
今日がそのマラソン大会だった
私は赤のジャージに着替えて外でストレッチをしていた。
遥は隣でだるそうに欠伸をしていた
「圭、お前は戦闘意識いつも高すぎるだろ」
後ろから呆れたような声がした
「当たり前でしょ、ちびナリ」
振り返りながら私は笑った
視線の先には小さい男の子。
166センチの私と同じくらいの身長だ