恋より強く

5月へ移り行く季節だった


私たちの学校では春のくせにマラソン大会が開かれる

5月上旬にあるマラソン大会のために1学期が始まってから、体育の時間は全部マラソンになる

半数はやる気がなく歩いているが、私は手加減をするということが大嫌いなので一応走る


今日がそのマラソン大会だった

私は赤のジャージに着替えて外でストレッチをしていた。
遥は隣でだるそうに欠伸をしていた


「圭、お前は戦闘意識いつも高すぎるだろ」

後ろから呆れたような声がした

「当たり前でしょ、ちびナリ」

振り返りながら私は笑った

視線の先には小さい男の子。
166センチの私と同じくらいの身長だ



< 11 / 57 >

この作品をシェア

pagetop