恋より強く
「何で私が誰かに負けなきゃならないわけ?」

ニヤニヤと笑う成宮英司に真剣に言う

「こえー」

「尋常じゃない負けず嫌い」

だるそうにしていたはずの遥も気づけば私のことをからかっていた

ナリとは高校入学の時から、遥とは中学から仲が良くて、3人で遊んだりする

ナリも遥も気を使わずにすむ私の親友だ


「昨年学年女子150人中14位の桜田さん、今年は何位を目指すんでしょうか」

遥が手をグーにして私にマイクのように差し出した

「そりゃもちろん13位ですかね」

目を細めてわざと自慢するような顔にする
「向上心低っ」というナリの突っ込みの声が聞こえたような気もした

「ナリも遥も10位以内は普通に入れよ」

何だかんだ言って2人も去年上位なのだ
当たり前というような顔をする2人も、私に負けず劣らず自信家だ
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