恋より強く
休み時間、いつも通り春のせせらぎを感じながら
お母さんの愛情弁当を口にしていた。
窓際の席は日差しが暖かく、外を眺めれば桜が舞っている。
「圭、こんな早くからマジ食いするって女としてどう?」
私の席の前に座っていた女の子が私に向かって不服そうに呟いた。
「女なんてとっくの前から捨ててるし」
食べることをやめない私を彼女、千葉遥は呆れたように呟いた
「恋くらいしなさいよ」
「残念ながら面倒で。それに、恋しなくたって死なないでしょ?」
恋するほどドキドキする人なんていないし