恋より強く
「ねぇ、間宮くん」
そう、あの憎たらしい「間宮くん」がまた私の前に立ちはだかった
「間宮くん」は並みいる陸上部の先鋭たちより速かった
学年2位という無駄な記録を出した
当然騒がれるわけで。
私は影に隠れるわけで。
ジェラシーが生まれるわけで。
「入ってよー」
毎日こうやってスカウトが来るわけで
「間宮くん、放課後皆で遊ぼー?」
女どももたかってくるわけで
「圭もかっこよかったよ」
こういう発言してくる奴が一番腹立つわけで
「なぁ、この頃圭機嫌悪くね?」
「それ俺も思った〜」
私の機嫌はこの上なく悪い。